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隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。
隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。
مؤلف: 雫石しま

忘却の一夜

مؤلف: 雫石しま
last update تاريخ النشر: 2025-07-03 10:25:22

 桜舞い散る季節に、二人はエレベーターの箱の中で出会った。視線が絡み合い頬が火照る。胸は高鳴りその姿に釘付けになった。

あの人は誰

あいつは誰なんだ

 そんな二人が恋に落ちるまで、ほんの少しだけ時間が必要だった。

 薄暗い部屋に、芳醇なウィスキーの香りが漂っていた。まるで琥珀色の記憶のように、香りは彼女の首筋をそっと這い上がり、舌先の温もりと共に肌をくすぐった。彼女の細い指先は、仄かに桜色に染まりながら、彼の逞しい肩甲骨をなぞる。そこには、鍛え上げられた男の輪郭が刻まれ、触れるたびに彼女の胸から小さなため息がこぼれた。

 彼の筋肉質な手は、力強くも優しく、彼女の豊満な胸に触れた。指先はまるで命あるもののように、ゆっくりと脇腹を滑り降り、彼女の肌に微かな戦慄を残す。静かな部屋に、彼女の唇から漏れる微かな喘ぎ声が響き、まるで夜の囁きと溶け合うようだった。

「お前が好きだ。俺はお前が好きなんだよ、覚えておけ。」

彼の声は低く、熱を帯びて耳元で繰り返される。その言葉は、まるで呪文のように彼女の心を縛り、互いの脚を絡ませた。絡み合う二人の熱は、全身に滴る汗となり、部屋の空気を重く、甘く変えた。時間は止まり、ただ二人の鼓動だけが、夜の静寂を刻んでいた。

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أحدث فصل

  • 隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。   隣の彼

     桜の花びらが舞う金沢の夜、薄暗い部屋にウィスキーの琥珀色の香りが漂う。あの春、近江隆之介の低く熱を帯びた声が響いた。「小鳥、お前が好きだ。覚えておけ。」 その言葉は高梨小鳥の心を捉え、時を止めた。二人の鼓動が夜の静寂を刻み、愛は確かに芽生えた。 それから三年。議員秘書から金沢市議会議員へと姿を変えた近江隆之介は、街頭で「金沢城を世界遺産に!」「市民の暮らしを守る!」と訴える。傍らで小鳥はのぼり旗を握り、車窓に向け笑顔を振りまく。 もうすぐ市議選。宿敵の楠木大吾との一騎打ちが待つが、隆之介の背後にはいつも小鳥の温かな眼差しがある。「小鳥」「ん、なに?」 照れくさそうに鼻先を掻き、近江隆之介は呟く。「やっぱり、お前が好きだ。」 小鳥は笑い、「あの夜のこと、急にね!」と返す。あの春、偶然の夜を共にした二人は、今、金沢市議会のおしどり夫婦と呼ばれる。二人の愛は、息子・ひなたに受け継がれる。 ひなたは近江隆之介のチラシにマジックで落書きし、得意げに笑う。その姿は、かつてライバルのチラシに鼻毛を描いた近江隆之介にそっくりだった。小鳥は腹を抱えて笑い、隆之介は優しく見守る。金沢の古い街並みを背景に、家族の笑顔が響き合う。琥珀色の記憶は色褪せず、愛と希望を未来へ紡ぐ。 隣の彼たちと一緒に。

  • 隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。   ウエルカムベイビー②

     妊娠5ヶ月目。小鳥のお腹が少しずつ目立つようになり、近江隆之介は毎晩お腹に話しかけるのが日課になった。「よーし、バブバブ!パパは金沢の未来を担う男だぞ!お前も立派な金沢っ子になるんだ!」小鳥は笑いながら「隆之介さん、赤ちゃんに議会演説しないでよ」と突っ込む。この頃、夫婦で赤ちゃんの名前を考えるのがブームに。近江隆之介は「金沢らしさ」を重視し、「兼六(けんろく)」や「輝(かがやき)」を提案。「兼六って、兼六園みたいでいいだろ?観光大使にもなれる!」「隆之介さん、名前で観光PRしなくていいの!もっと可愛い名前にしてよ!」 小鳥は「ひなた」や「さくら」を推すが、近江隆之介は「それじゃ全国どこにでもある!」と譲らない。ある夜、夫婦で名前リストを100個以上書き出し、ついに大ゲンカに発展。「小鳥、名前は一生ものだぞ!金沢の誇りを背負うんだ!」「隆之介さん、赤ちゃんが兼六園の看板背負って生きるわけじゃないでしょ!」 仲裁に入ったのは、久我今日子。呆れて物も言えないという顔をしている。「あなたたち、名前でケンカしてる場合じゃないわよ。性別分かったらまた変わるんだから!」   そう、性別判明の日が近づいていた。近江隆之介は「男なら兼六、女なら茶々(金沢の歴史上の人物、茶々姫から)」と意気込むが、小鳥は「絶対普通の名前にする!」と宣言。夫婦のバトルはさらにヒートアップした。 出産当日、最大の試練妊娠9ヶ月目。小鳥のお腹は立派なボールになり、近江隆之介は議会中も「もうすぐパパ」とソワソワ。だが、出産予定日が近づくにつれ、小鳥の不安も増す。「隆之介さん、ちゃんと立ち会ってよね。私、怖いよ・・・」「任せろ!俺は金沢市議だ!どんな試練も乗り越える!」 口では強気だが、隆之介は内心ビビりまくり。YouTubeで出産動画を見ては「うわ、こんなに大変なのか・・・」と青ざめる。そして運命の日。夜中に小鳥の陣痛が始まり、近江隆之介はパニック状態で病院へ。だが、運転中にナビを間違え、なぜか金沢城公園の駐車場に到着。「隆之介さん、ここ病院じゃないよ!?」「ご、ごめん!すぐ行く!」なんとか病院にたどり着いたものの、近江隆之介は立ち会い中に緊張で貧血気味になり、看護師に「パパさん、座ってて!」と椅子に押し込まれる。数時間の壮絶な陣痛の末、小鳥は無事に男の子を出産。赤ちゃん

  • 隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。   ウエルカムベイビー

     金沢市議会議員、近江隆之介は、今日も市役所の会議室で熱弁を振るっていた。テーマは「金沢の伝統工芸を若者にどう伝えるか」彼の人懐こさは市民からの人気も上々で、支持者も増えている。 しかし、彼の人生が一変する出来事が、この日の夕方に待ち受けていた。近江家は、金沢市内の閑静な住宅街にある一軒家に住んでいる。妻の小鳥は、元気で少し天然な性格の持ち主。彼女は地元の小さなカフェでパティシエとして働いており、彼女の作る加賀棒茶のシフォンケーキは地元でちょっとした名物だ。その日、近江隆之介が議会から疲れて帰宅すると、リビングで小鳥がソファに座り、なぜか神妙な顔で小さなプラスチックの棒を持っていた。「隆之介さん、ちょっと座って。重大な話があるの!」 小鳥の声はいつもより1オクターブ高く、近江隆之介は一瞬「また何かやらかしたか?」と身構えた。小鳥は過去に、洗濯機に赤い靴下を混ぜて隆之介の白いシャツをピンクに染めたり、議会用の資料を間違えてシュレッダーにかけたりした前科がある。「なんだよ、小鳥。まさかまた俺のスーツを縮めたとか言うんじゃないだろうな?」 近江隆之介が半笑いで言うと、小鳥はムッとした顔で棒を突き出した。「これ見て!プラスよ!プラス!」 近江隆之介、棒をじっと見つめる。棒には小さなディスプレイがあり、確かに「+」のマークが。「・・・プラス? 電卓でもないのにプラスって何? まさか」 近江隆之介の顔がみるみる青ざめていく。「小鳥、これ・・・妊娠検査薬!?」「そうよ!隆之介さん、私、妊娠したみたい!」 その瞬間、近江隆之介の頭の中で金沢城の石垣が崩れ落ちる音がした(比喩)。彼は議会でどんな難題にも冷静に対応してきた男だが、この「妊娠」という二文字には完全にノックアウトされた。「やった!やったぞ!俺、父親になるのか!」 喜びの雄叫びを上げた直後、彼は勢い余ってソファから転げ落ち、テーブルに置いてあった小鳥の手作りクッキーを床にぶちまけた。「隆之介さん、クッキー!私の新作の加賀棒茶スペシャルが!」「ごめん、ごめん!でもクッキーより赤ちゃん!赤ちゃんだよ、小鳥!」 こうして、近江家の新しい物語が始まった。金沢の街を背景に、近江隆之介と小鳥のドタバタな妊娠・出産劇が幕を開けたのだ。 妊婦生活は想定外の連続妊娠が分かった翌日から、小鳥の生活は一変し

  • 隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。   隆之介選挙に出る②

     楠木大吾のキャンペーンは、まるでスタートアップ企業のプレゼンのようだった。「私たちはスマートに、データ駆動型でいく。金沢の課題は子育て環境と安定した老後。そこを押さえて、若者と高齢者、両方の心をつかむんだ」 インフォグラフィックを使った政策説明、インスタライブでのQ&A、そして地元YouTuberとのコラボ動画。対する隆之介は、昔ながらの街頭演説とビラ配りに全力を注いでいた。そこには新妻の小鳥の姿もある。選挙カーのマイクを握り、「金沢の魂を俺に預けろ!」と叫ぶ姿は、まるでプロレスラーの入場シーンだ。 近江隆之介のキャンペーンは予想外の苦戦を強いられていた。演説は熱いものの、政策の具体性が乏しく、若者からの支持が伸び悩んでいた。「金沢をデカくする!」というスッキリしすぎるスローガンも、市民には「具体的には?」と突っ込まれがちだった。 ある日、小鳥が事務所にやってきた。手に持っていたのは、和菓子屋「加賀の月」の新作スイーツ「五色だんご」。金沢の伝統的な五色生菓子をモチーフに、赤・白・緑・黄・紫の小さな団子が串に刺さっている。パッケージには「みんなで笑顔!」と書かれた可愛いシールが貼られていた。「隆之介さん、これをみんなで食べたらどうかな? 甘いもの食べて、元気が出るよ!」小鳥はニコニコしながら提案。隆之介は最初、「そんな子供だましで人が喜ぶかよ!」と鼻で笑ったが、試しに駅前で仲間と一緒に食べてみると・・・みんなの笑顔が広がり、効果は絶大だった。「これ、めっちゃ美味しい!」 市民たちが団子を頬張りながら、小鳥と隆之介の楽しい会話に耳を傾けるようになったのだ。しかも、小鳥の明るい笑顔と丁寧な接客が、年配の方々の心をガッチリ掴んだ。「小鳥、お前・・すげえな・・・」 近江隆之介は妻の活躍に目を丸くした。「えへへ、ただお団子焼いてただけだよ」 小鳥は照れ笑いしたが、彼女のアイデアは確実に票を動かし始めていた。 テレビ討論の大波乱選挙戦の中盤、候補者たちによる公開討論会が金沢市内のホールで開催された。楠木大吾はスーツ姿でクールに政策を語り、子育て支援やデジタル化のビジョンを分かりやすく説明。会場は拍手喝采だ。一方、近江隆之介は・・・。「金沢はもっと熱く、もっとデカくなきゃダメだ! 俺は金沢城を世界遺産に登録させ、観光客を倍増させる!」 隆之介はマイクを

  • 隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。   隆之介選挙に出る

     桜咲く金沢の街に、街頭演説の声が響く。金沢市議会議員、久我今日子の第一秘書を務めた近江隆之介は、遂に、金沢市議会議員選挙に立候補した。 近江隆之介の妻・小鳥は、穏やかでほんわかした性格。地元の老舗和菓子店「加賀の月」の看板娘だ。小鳥の笑顔は、どんな頑固親父の心も溶かすと評判だった。「隆之介さん、選挙なんて大変なこと、ホントにやるの?」 小鳥は朝食の味噌汁をすすりながら、心配そうに夫を見た。食卓には小鳥お手製の加賀野菜の煮物が並び、金沢の伝統が漂う。近江隆之介は箸を2本頭に立てると、「ガシャーン、ガキーン」と言い出した。小鳥は、またかという顔でご飯を茶碗によそった。「ハッ! 俺がやらなきゃ誰がやる? この金沢を、俺の手でガラッと変えてやるぜ!」 近江隆之介は、箸を振り上げて宣言。味噌汁がちゃぽんと跳ね、テーブルクロスに小さなシミを作った。「でも、対抗馬の楠木大吾って、あのキツネの楠木さんでしょ? 議会の議長だし、支持者も多いし・・・SNSもバッチリ使ってるみたい・・・」小鳥はスマホを手に、楠木の公式アカウントをスクロールしながらつぶやく。そこには、楠木大吾が地元の子供たちと笑顔で写る写真や、「金沢の未来を一緒に!」というキャッチーな投稿が並んでいた。「ふん!あんな化石みたいなジジイ俺が捻り潰す!」 近江隆之介は胸を張り、彼の目はすでに勝利のビジョンでキラキラしていた。 楠木大吾のスマート戦術は選挙要員の若手支持者が担っていた。SNSでのフォロワー数はすでに1万人を超え、熟年層を中心に「豊な老後、金沢の希望の星」と呼ばれていた。彼の選挙事務所は、まるでカフェのようなおしゃれな空間で、ボランティアの大学生たちがパソコンをカタカタ叩きながら、最新の選挙戦略を練っていた。「近江さん、ちょっと・・・独特ですよね」 楠木大吾の秘書が、隆之介の演説動画を見ながら苦笑いした。動画では、隆之介が街頭で「金沢を日本一の城下町にするぜ!」と叫びながら、なぜか腕まくりをして筋肉をアピールしていた。「確かに派手だな。でも、侮れん。あいつの若さと熱量は本物だ」 楠木大吾はコーヒーを飲みながら冷静に分析した。

  • 隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。   新居探しでまさかの喧嘩

     近江隆之介と小鳥は、結婚してまだ3ヶ月だが、金沢の街で夢の一戸建て住宅を探していた。近江隆之介が来春の金沢市議会選挙に立候補する前に、地盤を固めておこうと考えた。 けれど、意見の食い違いから毎回ドタバタの展開に。さて、今日もまた、近江夫婦の家探しは波乱の予感。「隆之介さん、絶対に和風の家がいいよ!金沢っぽい雰囲気の、瓦屋根で庭に石灯籠があるようなやつ!」 小鳥が不動産屋の待合室で、目をキラキラさせながら言う。彼女は地元の老舗和菓子店の娘で、伝統的な美意識にこだわりがある。対する近江隆之介は、現代的で機能的な家を希望していた。「小鳥、和風もいいけどさ、モダンな家の方がメンテナンス楽だし、エコ仕様の最新設備も魅力的だよ。議員として環境問題にも取り組んでるんだから、そういう家の方がイメージいいし」「イメージって何!? 家は住むためのものよ! 心が安らぐ和の空間がいいの!」 不動産屋の担当者、山田さんが苦笑いしながら間に入る。「おふたりとも、まずは今日の物件を見ていただければ。金沢らしい素敵な一戸建てを3軒、厳選しましたよ!」1軒目:伝統の極み!金沢の古民家最初の物件は、金沢の奥まった住宅街にある築80年の古民家。黒瓦の屋根に白壁、庭には立派な松の木と石灯籠が佇む。小鳥は一目で目を輝かせた。「これ! これよ! 隆之介さん、ほら、縁側! 」 「ここでお茶飲んだら最高じゃない?」小鳥はさっそく縁側に腰掛け、庭を眺めてうっとり。だが、近江隆之介は眉をひそめる。「いや、待てよ。確かに雰囲気はいいけど、床がギシギシ言うし、断熱材入ってなさそう。冬、めっちゃ寒そうじゃない?」「寒さは気合で乗り切るの! 金沢の冬は厳しいけど、それが風情ってもんでしょ!」「風情で凍死したらどうするんだよ!それに市役所から遠いし!」 山田さんが慌ててフォロー。「こちら、改装すれば断熱性もアップできますよ! 補助金も出ますし!」 しかし、近江隆之介は「改装費用がバカにならない」とつぶやき、小鳥は「風情を金で買えない」と譲らず、早くもバトル勃発。結局、1軒目は保留に。2軒目:近未来のスマートハウス 次に訪れたのは、金沢郊外の新興住宅地にある最新式のスマートハウス。太陽光パネル、AI搭載の家電、音声で全てをコントロールできるハイテク住宅だ。隆之介の目が輝く。「小鳥、これ

  • 隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。   披露宴会場の乱

     金沢の春、桜の花びらが兼六園の松をくぐり抜け、卯辰山をピンクの絨毯に変える。4月のこの日、近江隆之介と高梨小鳥の結婚式が、金沢の老舗料亭「桜花亭」でドタバタと進行中だった。 桜花亭の式場は、和のしつらえがバッチリ決まってるが、どこか緊張感が漂い・・・・いや、むしろカオス感が漂っていた。 母親と父親が心配する中、白無垢姿の小鳥は、綿帽子に隠された黒髪がまるで「助けて!緊張で固まってる!」と叫んでいるようだった。彼女の背中は、まるで小さな子犬がブルブル震えるようにプルプルしていた。 隣に立つ近江隆之介は、黒紋付袴でキリッと決めているが、普段は金沢市議会議員の秘書として冷静な彼も、今日は目

  • 隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。   その案、可決します!②

    「どうしたんですか。真剣な顔、変ですよ」 「俺、変?」 「はい」 近江がスーッと大きく息を吸い、吐く。「一つ議案があるんだけどな」 「議会ごっこでもするんですか?」 「ウルセェな」 「うるさいって」 「議会中は私語慎めよ、基本だろ」 小鳥は面倒なことだとゲンナリ。 「資料配布します。目、閉じて」 「その丁寧な言葉、気持ち悪いですよ」 ゴソゴソと動く気配。温かな手が小鳥の左手を持ち上げ、硬く冷たい感触が薬指に伝わった。(え、もしかして) 「目、開けていいぞ」 「は、はい」 薬指に輝石が散りばめられたプラチナの指輪。 「これって・・・、あの」 「石はダイヤモン

  • 隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。   好きです!

     近江隆之介は久我議員の県外視察に同行してしばらく部屋を留守にしていた。昨夜は外回りと会合の送迎で帰宅は22:00頃。 高梨小鳥とはあのベランダ飲みの夜から、月、火、水、木、としばらく顔を合わせていない。(小鳥、どうしてるかなぁ。隣、なんだけどなぁ。なんだかなぁ) レースのカーテンを開けると空は灰色で雨粒が窓に貼り付いていた。雨の日は眠い。昨夜はウィスキーをストレートで飲み、何となく気怠い。 今日のスーツは空と同じグレー、ネクタイは適当に掴んだ紺色に細い深緑のストライプ。靴下は何でも構わない。ポケットに黒い革の財布、ICカード、胸の内ポケットに市役所のネームタグを入れて準備完了。姿見

  • 隣の彼 じれったい近距離両片思いは最愛になる、はず。   ベランダ飲みのお誘い④

     小鳥は落ち着かなかった。何故ならこのマンションの部屋の間取りは線対称、ソファに座って居ても一枚壁を隔てて背中同士が寄り掛かっている様な気がしてむず痒い。「な、なんだか緊張する」 近江隆之介は落ち着かなかった。何故ならこのマンションの構造は線対象、風呂の壁の向こう側が小鳥の部屋の風呂。シャワーを浴びていても気になって仕方が無い。ちょっと指先で壁にキュッキュッと触れて、手のひらを置いて、思わず耳をピトッと付けてしまった。当たり前だが何も聞こえない。「俺は変態か」 壁に掛かった木製の丸い時計の針、長針と短針がこちっと動く。胸がドキドキする。 ベッドの置き時計の秒針がコチコチコチと時間を

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